books in my life
コリンウィルソンの本に「わが青春 わが読書」という本がありました。
ウィルソンが創造性について著した本が好きでした。特にウィルソン自身のこども時代の心象の描写、多くのウィルソン作品を翻訳された中村保夫さんの文体が好きで時々読み返しています。60年代に出版された米国版のTheOutsiderや、文学、音楽についての紙の本も手元にとってあります。
ウィルソンの著作は読書傾向の変化の切っ掛けになりました。
私は一生をこどもの頃のままで過ごした芸術家が好きです。大人になってからと、こども時代の自己が分断されていない、ある時から区切ったように別人になった人でない、こどもの頃の自分を裏切れない芸術家、著作家の作品に触れることが大きな楽しみの一つです。本当の自分から乖離していない人の文体に触れていたいんです。
マザーグースのイラストレーションで知られるケイト・グリーナウェイの言葉をどこかで見ました。こどもの頃の感覚の中で生きる以上の喜びがあろうか、と いうようなものでした。幻滅して興ざめすることなく読み続けられるから、こどもの頃を「あの時はあの時」と今の自分から切り離せない、そうすることに身を裂かれるような感じを持つ、と言っている人の作品や文体をもっと読みたいと思います。読後(音楽や美術作品、絵本に触れた後もそうです)のカタルシス、至福の状態にずっと浸っていられる以上の喜びはそんなにないと思います。
レジャー、スポーツ、食べ歩きは、自分が自分でなくなったら、するかもしれない。今んところ部屋一つあればその至福状態に浸れるので、すごく安上がりな暮らしをしてます。旅行にすらあんまり興味を持てないんです。何日かすると自分の部屋が恋しくなるので。